2012年11月15日木曜日

第36回盛岡市都市景観シンポジウム

第36回盛岡市都市景観シンポジウムが開催されます。

日時:平成24年11月16日(金)  午後1時30分~4時30分 

会場:プラザ  おでって  3階  おでってホール 

いわて景観まちづくりセンターからは、三宅理事長、渡辺副理事長が参加します。

お時間がある方は是非ご参加ください。

以下、盛岡市のホームページからの転載です。

昭和55年度から開催し,今年度で,36回を数えることとなる都市景観シンポジウムは,盛岡固有の景観を守り,創り,育てるために,「まちづくりは人づくり」であるとの理念から,盛岡の景観を,市民とともに考える場として,継続的に開催してきました。
 「美しく風格のあるまち盛岡」の実現は,単に見た目の美しさだけではなく,住み続けたくなるまちづくりの視点が大切です。
盛岡市は,盛岡市景観計画の方針に基づき,より一層,良好な景観の形成を促進するため,地域住民との懇談会を重ね,今年8月に,「大慈寺地区景観地区」を指定しました。
今回の都市景観シンポジウムでは,市民協働の景観からのまちづくりを目指していくため,身近な生活景を含め,地域から育てる景観からのまちづくりについて,話し合いたいと考えております。


http://www.city.morioka.iwate.jp/machizukuri/toshikeikan/017619.html



2012年11月14日水曜日

「ふるさと景観再生の手引き」について


 岩手県では、東日本大震災津波からの復興まちづくりに合わせて良好な景観の形成を図っていただくことを目的として、「ふるさと景観再生の手引き~岩手県沿岸地域復興に向けた景観形成の基本的考え方~」を策定しました。

 本手引きの作成に当たっては、当センターも参加させていただきました。

 本書は、復興と共に良好な景観を形成していくために、岩手県内沿岸部の市町村や復興に携わる関係者が、東日本大震災津波からの復興まちづくりを進める上で、早い段階から景観の視点を含めた検討の際の参考とする手がかりとなるものやどのような点に留意し配慮していけば良いかなどを、本県沿岸部の自然環境や歴史・文化・風土などの特徴を踏まえながら取りまとめたものです。

 是非、復興におけるまちづくり、景観づくりの参考にしていただければと思います。

 ※クリックすると、岩手県都市計画課のホームページにジャンプします。

目 次
Ⅰ はじめに  
Ⅱ 景観形成による復興に向けて目指す姿  
 復興と共に良好な景観を形成していくために  
 復興に取り組む際に考慮すべき基本的考え方  
 景観形成の手がかり 
1 自然を読む 
2 歴史を読む 
3 将来の計画を読む 
4 地域の文脈に従う 
5 まとまりを意識する 
6 総合的に計画する

Ⅵ 地域毎の景観形成の配慮事項
      1 海岸部における配慮事項 
      2 市街地における配慮事項 
      3 集落における配慮事項 
      4 高台の新住宅地における景観形成

盛合家の泥だし

 岩手県宮古市津軽石、登録文化財の盛合家の床下には、津波後の汚泥が堆積しています。残留塩分で釘等の錆が進行する等問題も生じているため、汚泥撤去のボランティア活動をいわて景観まちづくりセンターの有志などで実施しました。



床板を剥がしての泥だし作業

 今後は被災部分の詳細調査以外に、江戸時代築という経年劣化も含めた本格的な建造物調査をし、修理計画を策定する意向とのことだそうです。

観光地における外国人への情報提供

平泉町にある毛越寺庭園や、中尊寺などは、当時の人々が思い描いた「浄土」を表現するものとして平成23年に世界遺産登録されました。
東日本大震災の影響により観光客が減少している岩手県内において、平泉の世界遺産登録は観光客の増加がとても期待されています。
当センターはこれまで平泉町内で観光まちづくりをテーマに活動した経緯もあったことから、岩手県と協働事業により、特に外国人に対する情報提供の視点から、観光活性の方向性を検討しました。

中尊寺でのヒアリングの状況
外国人の方とのワークショップの様子

現地点検やワークショップにより、平泉の世界遺産登録地周辺は多国語化は比較的行われているという感想でした。しかし一方で史実の羅列などに限られ実際の日本文化の理解までは至らないという課題も明らかになりました。
このような結果を踏まえて今後の観光まちづくりの一助にしたいと認識を改めました。

2012年4月18日水曜日

陸前高田市エコタウン鳴石の視察


 岩手県沿岸地域の復興に向けた景観形成の基本的考え方の検討のため、陸前高田市の「エコタウン鳴石」 を視察しました。 
http://www.iwate-tjk.or.jp/building_lot/naruishi.html



 環境との共生をテーマに、宅地が造られています。土地利用を大きく分けると一般の方に分譲する宅地72戸、公営住宅、公共用地(道路、公園など)に分かれています。


一般分譲区域の緑道と宅地(背中面で申し訳ありません)


公営住宅区域の様子1(瓦屋根と白壁が特徴的です)


公営住宅区域の様子2(瓦屋根と木の壁が特徴的です)


公園の様子
(太陽光パネルで環境用水をくみ上げる仕組みのようですがこの日は動いてませんでした)

 担当者Oの個人的感想ですが、一般分譲区域はそれぞれにデザインの違いがあるため、統一感や地域性が少ないが、変化は感じる。一方で公営住宅区域は同様のデザイン(瓦と木、白壁)が立ち並ぶことで統一性はあるのですが、それが強すぎて逆に違和感を覚える。といった感じです。

 公営住宅区域は宅地と道路配置に変化を持たせることで見た目の違和感は軽減出来ると感じました。これは造成当初から検討する必要がありますね。
また、少し高い樹木があると良くなるのかなと感じます。これは時間がゆっくりと育んで行くのでしょう。

 これから、岩手県沿岸部では、高台への集落移転が行われます。エコタウン鳴石は身近に宅地造成、家のデザインについて考えることが出来る事例だと思います。

玄界島における景観形成の取り組みの視察

 いわて景観まちづくりセンターでは岩手県都市計画課と協働で、岩手県沿岸地域の復興における景観形成の基本的な考え方の検討を行っております。
 玄海島は福岡県西方沖地震(平成17320日)により大きな被害を受けました。しかしこの被害を克服して斜面地に集落を再生しています。
 福岡市では被災住宅が密集している地区の住環境改善及び災害防止を図るため小規模住宅地区改良事業により土地の買収や建物の除去、その後の戸建て用地の造成、住宅建設、道路・公園等の公共基盤整備を行っています。
 またこれにあわせて漁港施設、小・中学校等の公共施設の災害復旧事業を、島民の意向を踏まえながら一体的に実施しました。



港からの集落の様子(斜面に家々が並んでいます)



海が見えるように宅地造成されています

 
夕日が美しい漁港でした


 玄界島では、3年で帰島という目標を掲げて島民の方が一体になり復興に向けた取り組みを行いました。その結果島民の方の多くが戻ってこられたようです。事業期間は復興するにも重要なことは再認識させられました。
 島の方に意見を聞くと、以前に比べて住みやすくなった。一方で景観を考慮するなどして、島の将来の観光なども考えられれば良かったなどの意見をうかがうことが出来ました。
 
 島で、漁師をしている宮川さんにお話を聞くことができました。ありがとうございました。
http://www.shop-online.jp/gennkai/
 (宮川さんのオンラインショップです。塩辛、鮮魚など準備しています)
 
 今回の視察により、岩手県沿岸の復興に向けた景観形成の考え方を検討する大きな視点を得ることが出来ました。

2012年1月10日火曜日

景観被災調査の報告会

平成23年12月28日にこれまで調査してきた岩手県沿岸地域の景観資源被災調査の報告会を行いました。

陸前高田市気仙町の写真です。(上が被災前、下が被災後)このように、景観資源においてはまちなかの被災の度合いが大きいのが特徴でした。
また、いわて景観まちづくりセンタースタッフからの被災地レポートも行いました。
副理事長の渡辺敏男氏からは、三陸沿岸の高台移転の事例から、住まいの再建に対して地域が主体的に取り組む際にとても参考になるのでは、という事などが報告されました。
詳しいレポートは後日掲載いたします。

その後はささやかながら忘年会を開催いたしました。
東日本大震災があり大変な一年でした。会員の皆様大変お疲れ様でした。

1月以降も岩手県沿岸地域の景観形成の基本的考え方の議論、小規模漁村の景観まちづくり報告会などあります。今後もよろしくお願いいたします。

大船渡市三陸町吉浜根白地区のワークショップの概要

平成23年12月3日に大船渡市三陸町吉浜根白地区で行ったワークショップの結果です。



 大船渡市三陸町吉浜根白地区は漁業施設の再生、また集落内の一定の幅員を持つ道路の整備、段々に築かれている石垣の修理の必要性などが聞かれました。
また剣舞や御輿などの地域のお祭りがコミュニティを維持している面もあるけど、徐々に個人の生活優先の気配もあることなどが聞かれました。

釜石市唐丹町大石地区のワークショップの概要

平成23年12月3日に釜石市唐丹町大石地区で行ったワークショップの結果です。

唐丹町大石地区は地域が3つの神社に囲まれた(守られている?)地域であることがわかりました。また、防潮堤は整備せず、海が見える生活が良いとの声もありました。

釜石市、大船渡市の漁村の景観まちづくりWS

12月3日に釜石市と大船渡市で漁村集落の復興に向けた景観まちづくりワークショップを行いました。
 復興のスピードが優先されるなか、小規模漁村では、細やかな意見の聴取、地域性ぼ議論などがされにくい状況です。
 そこでいわて景観まちづくりセンターではふるさと景観や地域資源の観点から復興まちづくり、景観まちづくりについて議論しました。

 釜石市唐丹町大石地区では約半数の家屋が津波により被災しました。住民の方はほとんどが漁業従事者です。現在やっと共同操業で漁に出ることが出来るようです。このような状況では生活が大変だという意見が多く聞かれました。
 一方で、地域芸能の虎舞などの話では皆さん笑いながらお話したり、海からの大石地区の景観はすばらしいとの意見も聞かれました。


 大船渡市三陸町吉浜根白地区では地形が高台にあり、漁港施設以外の被災は免れた地域です。しかし、一見外部から見ると美しいと思う、斜面に並ぶ住居は石積みが崩れるなどの恐れがあることや、災害時のエネルギーの供給に対する課題なども聞かれました。

小規模漁村に住む方々の復興に向けての一助になればと思います。